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The Grand Design / Stephen Hawking (2010)
 前著 A Brief History of Time もわかりやすくて興味深い内容だったと思うが、今回の新著もそれを上回るイマジネイティヴなものだ。「なぜものがあるのか」「なぜ我々がここにいるのか」「なぜ現行の物理法則がなりたつのか」  そんな疑問を検証する形で議論は進んで行く。結局、我々がいるのは相当な確率上の好条件に基づく出来事であり、様々な物理法則は現在見られる様相以外に、随分な種類のその他の可能性があることが、示される。
 地球、太陽系、銀河のみならず、宇宙そのものが、複数の可能性のうちの一つに過ぎないというわけだ。その他の宇宙は別の物理法則によって組織されているだろうという。研究過程の具体的な計算式などが掲載されている専門書ではないので、単なる話として読めるのだが、それだけに、つまらないSF以上に刺激的な内容だ。
 結論的には、11次元を想定したMセオリーで、将来的にすべてを説明できるだろうということだ。それも興味深いが、広辺な宇宙が複数存在するという下りが、意識の拡大路線といえるだろう。確かに以前から言われていたことだとは思うが、これほどリアルに描かれたものを読んだことはなかった。素晴らしいと思う。
# by pqch-fe9 | 2010-10-17 12:34 | Poetry
Kamaal the Abstract / Q-Tip (2009)

 Hip Hop は以前は Hip Pop のことだと思っていた。なかなかなじめない感じもあったのだが、この作品には珍しくロックのグルーヴを感じ、Hip Hop でも色々あるのだなということがわかった。なんとなく同じに聞こえても、実は違うのだ。ロックのグルーヴのいいところを、リピートで廻している様な高揚感、それがつまりサンプリングとか、ブレイクビーツという方法なのだろう。やり方、と言うかセンス次第なのだ。いまさらながら、やっとわかったという感じだった。まさに「神は細部に宿る」といった微妙な差異なのだが、それが本質なのだ。このアルバムでは半分は生演奏であるようだが、理屈はともあれ、驚く様な素晴らしいグルーヴ感だ。
# by pqch-fe9 | 2009-12-12 21:29 | Music
涼宮ハルヒの憂鬱 / SOS団 (2009)
 毎週、角川チャンネルで配信されているこの作品は、「メタレベルのメタレベル」たらんとする視聴者、或いは作者を前提とした「自己言及」の陥穽、「暫定的判断中止」等々の、80年代的郷愁を誘ってくれる出来映えが素晴らしく天晴れであり、ハレバレだ。
 そして、確かに甘い罠のように楽しいのだが、あらゆる罠がそうであるように、一皮めくって安心したつもりになろうとすると、またも自己言及的な「無限ループ」がせり出して来る仕組みなのだと言う他はないのだろう。「エンドレス・エイト」の秀逸さはここに由来するのだ。やりすぎている「誰か」は無限の彼方へ常に逃走する。いや、それともそれは闘争だったろうか?
 いかに「クレタ島民」であっても、また、あればこそ、「判断」ではなく、自ら作り上げるしかない、そして、作り上げることが出来ると言うべきなのだ。、目指すべきリアリティの世界は、安定した定点観測者にではなく、常に「超時格的現在」たる涼宮ハルヒそれ自体と共にある他ないのだろう。
 「それをなぞって」、でも、「それとは無関係に」、でもよいのだが、それはハルヒを乗り越えてこそ作り上げられるべきものなのだ。「あらゆる敗北主義を超克した、根拠のない自信」、これが鍵であろう。そしてそれは、消費されるべき物語ではなく、距離感ゼロの詩的直感の世界である他はない。ハレルヤ!
# by pqch-fe9 | 2009-09-24 20:19 | Poetry
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